ud037.ous.ac.jp管理者からのお知らせ:このページにパート2, パート3が出来ました。是非、御覧下さい。
なおこのページは、平成15年秋時点での情報を元に作成したものですので、あらかじめご了承ください。

介護の現場に行って思ったことについて

 私は、岡山理科大学福祉システム工学科の2回生です。2003年度の前期に、 ホームヘルパー2級 の資格を取得した。実習で授業を数回休んだが、いい体験が出来たと感じている。実習には、K苑(特別養護老人ホーム)、Yディサービスセンター、Eホームヘルパー派遣事業所に行った。夏休み中にS老人ホームでは、パソコン教室のアシスタントをさせていただいた。介護で感じたことを、そのまま書き出す。(人物名や施設名は、イニシャルも含め仮名である。またリンク先は、参考資料としてであり、本文とは関係がない。)

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□目次□

*前書き*

 私の好きな画家に、星野富弘さんがいる。 彼の詩と絵は、ほんわかと柔らかく私を包み、疲れを癒し励ましてくれる。 彼は、全身不随であるが、今の人生に満足であるという。 妻の優しさ、自然の美しさ、全てをありのままに感じられるからであるそうだ。 彼は、夕方、息で操作ができる車椅子で散歩に出かける。 彼の詩を読むと、人生とは何であるのか“ふと”考えさせられることがあるが、あの詩は、そうして生まれるのだ。 車椅子は、昔と比べ格段によくなったと、彼は述べていた。 福祉機器は、彼にとっての生命線であり外へのパスポートであるのだ。 日本中には、福祉機器を使う高齢者や障害者が多くおられる。 彼らも同じ気分であろう。

 また、渋谷望著「魂の労働」(青土社)は、介護が双方向に親密な関係次元を作り出し、介護労働者を精神的苦痛に追いやる危険性について指摘していた。的を得た指摘だと感じるが、それも介護の物理的な負担を軽減することによって、少なくできるように思うのだ。ノーマライゼーションを実現するためには、福祉機器も大切なのひとつで要素であるのだ。 しかし機器には、問題点も多い。 それを見つけ工学的に改善することは、生活の質(QOL)を向上させる可能性を持つのだ。

 たとえば、 松本清張の処女作「或る「小倉日記」伝」は、実話を基にした身体障害のある青年・田上耕作の森鴎外への研究の小説である。 田上氏は、文学にたいする情熱は人一倍であったが、身体障害がそれを阻んでいた。 彼は、周辺からの差別の目に反発しつつも、よき理解者たちに支えられ研究を行ったが、彼の障害がやはり研究の妨げとなった。 私は、もし優れた福祉機器が田上氏にあれば、文学者となっていたのではなかろうかと、思うのである。 障害者の自立には、よき理解者が必要であるといわれるが、彼の場合は、2人の理解者がいたのだ。 障害者や高齢者は、福祉機器などの周辺環境によっても大きく人生が変化するであろう。

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1、入浴について

*K苑の場合

 K苑は、L市にある大きな老人介護施設である。 特別養護老人ホームのほかにも、ケアハウス・ディサービスセンターなどを併設している。 ([参考] 介護施設の種類と特徴)
 K苑での入浴は、1階で行われる。 脱衣場に5〜7人ずつ集められて入浴していく。 自力で入浴できない人は、脱衣場でリフトに乗せられて浴槽までいく。 リフトは、入浴用のものである。 その施設ではツーピースベルトを使うので体は不安定となり、浴槽に足からではなくお尻から湯に入っていくこともあった。 そのためリフトで入ることは、恐いように感じられる方もいらしゃった。 嫌がられている方も多くおられた。 一人用の浴槽内で体を洗い、シャワーで洗い流し、その後リフトで持ち上げられて、大浴槽に入っていく。 私には、流れ作業のように見えた。 また、浴室内で作業を行うことは、非常に体力を消耗し、介護者にとって大きな負担となる。

 自力で入浴される方は、階段のついた大浴槽に入っていかれた。 階段の先は、赤く塗られゴムがついていた。 体を洗う際には、介助の必要な方が多かった。 事故防止のため入浴時間もしっかりと管理されていた。 浴室は、白癬菌(水虫菌)の感染場所となる可能性が高く、入居者には水虫の方が多い。 重度な障害などで、特別な介護の必要な方のために特別入浴室があった。

*Eホームヘルパー事業所の場合

 Eホームヘルパー事業所での実習は、午前中同行訪問・午後入浴サービスの同行だった。 介護保険法では、訪問入浴とは浴槽などの道具を持ってきて看護士の監督のもとに行われる介護のことと定められている。
 ここの事業所では、利用者さんに始めに挨拶をして、二つ折りになった浴槽を利用者の部屋に持ち込む。部屋には、一面にビニールシートを敷いておく。 それらの道具を持ってくる車には、湯沸かし器がついており、前回の訪問先でいただいた水を沸かし入浴に利用する。 浴槽から排水を行うためのパイプを、外までつなげる。 しかしパイプの接続部分には、毛などが絡みつき排水がもれてしまう事故もおおいそうだ。 事故後の被害防止のために、その下にはビニールシートと雑巾が敷いてあった。

 寝たきりの方の入浴方法は、背中にビニールの担架を敷いていただき、担架を持って浴槽にはいる。 この時、ベッドから浴槽までの間で落ちないように注意する。 頭の部分には、桶状のものがバスタブについておりそこで洗髪する。 洗体は、浴槽内で行うので、自分の体を洗ったなかで浸かっていることになる。 浴槽からあがる際には、背中をシャワーで洗い流すが、石鹸カスなどが残ることもあるようだ。 あがる際には、あらかじめベッドにバスタオルを敷き、そこで体を拭けるように準備をしておく。 バスタブは、その後湯を抜き、洗剤をかけて軽く洗い流す。 しかし、使用水量に限度があるために少ししか洗い流せないので、毛や垢が残る可能性もある。 流体力学などの工学技術を駆使して設計することによって、改善できるのではなかろうかと思う。

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2、食事介助について

*K苑

 K苑の重度の痴呆や障害をもたれている方がおられるところの食事の報告を行う。 そこでは、食事は大変なものであった。障害で、スプーンのもてない方、手で食べられる方、痴呆で奇声を発される方など多くの方がおられた。 また介護者は、介護を行う方の右側で介護を行うが、これだとほかの方の様子を見られない。 食事介助を予定時間内に終了させるため、介護者が高齢者に食べ物を押し込んでいるような感じを受けるようなことがあった。 PC教室のバイトでいったSホームでは、ECTという特殊な食卓の真ん中で介護者が介護をしていた。 これのほうが、全体が見られていいと感じた。 全体として介護者の人数が、足らないように感じる。 しかし、経済的な面から言って、今の状態がギリギリであるそうだ。

*Yディサービスセンター

 ここでは、自宅から送迎されてきた高齢者の方が、1日(9:00〜15:30まで)すごされる。 比較的自立されたかたである。 学科の奥先生の研究室に置かれていたような、自助具を活用し自立を支援していた。 お皿が滑りにくくなっており、スプーンも握りやすくなっていた。 生活の中で機能回復訓練が出来るように、配慮されているとのことである。 機能回復訓練は、理学療法士や作業療法士だけの仕事ではなく、生活全般で行われなければならないのだ。 それには、自己の意思やよい介護者のほかに、支援できる機器(自助具など)が必要である。 とくにここでの食事は、軽いレクリエーションの後で、非常に楽しそうであった。

 宮崎の高齢者短歌会で「一日中 言葉なき身の寂しさよ 君しり給え我も人の子」と詠われていた。こういった処遇の高齢者は、増加しているそうだ。一日中話さないでいると、やる気が失せるなど気分がめいる。利用者の方には、一人で住まれている方もおおいので、ディサービスで話し生活に張りができているようだ。食事は、本当に楽しく、いろいろなリハビリに役立っていると感じた。

*同行訪問先での食事(Eホームヘルパー派遣事業所)

 嚥下(えんげ)障害で、食事をトロミ食ややわらかい食事にされる高齢者の方が、おおくおられる。 嚥下障害があると、水分補給も水分にトロミをつけて行っている。 私の行った家では、86歳のおじいさんが82歳のおばさんの食事を作っておられた(老々介護)。 圧力鍋で、柔らかになるように食事を作られていた。 しかし、圧力鍋は重たいようである。 それに、掃除機もボタンが小さく見にくい、電話の音が分からんとおっしゃっていた。 老々介護が今後多くなるのだろうから、それにあわせた機器が必要だと思う。 最近は、松下電器の洗濯機「Lab」のようにユニバーサルデザインをキャッチフレーズにするものが多くあるが、機能を第三者的に評価する機関が必要でなかろうかと感じる。 また後日、市販の介護用食品を食べる機会があったが、もっと味のいいものができればなと感じた。

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3、その他

*電動式ベッドの使用ミス(Eホームヘルパー派遣事業所からいった)

 岡山市内のAさん宅では、電動式ベッドの油圧シリンダーに埃がたまり、またその上から油を注していた。 そのため埃が固まって嫌な音が出ていた。 利用者の家族の方に了承を得て、その塊を取り除いた。 機械の認識不足だと思った。 もっとも身近に利用者と接するホームヘルパーのためのテキストでさえ全650ページ中に数十ページしか触れられておらず、認識が広まるとは考えがたい。 設計を行う際には、こういったことを前提条件として設計するべきだ。

*トイレ(K苑)

 高齢者の方が使用しやすいように、トイレはすべて洋式であり半数でウオシュレット機能がついている。 しかし、高齢者の方で分からずに使って、服をぬらすという理由で機能を使えないようにしてあった(ユニバーサルデザインでなんとかできないものか)。 また、車椅子対応トイレは、2箇所のうち1箇所は、汚物入れがおいてあり、車椅子での回転に何回か切り返しをしなければならない。 場所の都合上仕方の無いことであるが、改善の余地があるように感じられる。 それらの機器にも、自治体などからの補助がおりて来ているものと推定され、地方財政の健全化がさけばれるなか予算の効率化も必要ではなかろうか。

*Nさんの服薬ミス

 Nさんは、70代後半で糖尿病を患い、朝夕食後に血糖値を下げる薬を服用している。 僕が行った日は、Nさんの体調は思わしくなく朝食は牛乳だけだった。 Nさんにとっては、こんな朝食はめずらしかったそうだ。 しかし、日頃の習慣から薬を服用した。 そのため、体内の血糖値が激減して玄関先で倒れた。 こういった事故を防止するために、処方箋をする際に医師や薬剤師が、飴などの血糖値を維持するためのものの携帯を指示しているはずである。 その後、9時半にそのお宅に私が伺うまで、倒れたままになっていた。 薬に対する、認識の低さが原因でなかろうか。

*福祉機器の説明書の問題点

 私は、先日とある人にキーガードをプレゼントした。 そのキーガードは、キーボードに固定するタイプのもので、説明書を読まないと設置方法がわからなかった。 ユーザーとして、軽度の障害者や手の少し不自由となった高齢者を想定しているにもかかわらず、非常に細かい文字で説明文が記述してあった。 これでは、白内障などで視力が低下した場合読めない。 福祉機器を設計する際に、機械だけではなくソフト面にも配慮が必要だと感じた。

*住宅改修について

 これは、Mさんから聞いた話である。 介護保険で介護認定を受けると、住宅改修費が、一定条件下で支給される。 Mさんが、訪問しているPさん宅では、住宅改修費で居室を改修して、ベッドから車椅子に移乗するためにリフトを取り付けた。 しかし、Pさん宅には近所に、不動産業を営む息子夫婦が住んでおり、車椅子からの移乗は息子や嫁が抱えて行い、リフトは使用されていない。住環境コーディネーターの確認ミスでなかろうかと感じる。 Pさんやそのご家族は、庭に下りるために、スロープを設置したほうが良かったと後悔されている。

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4、S老人ホームでのPC教室

 S老人ホームは、特別養護老人ホームとケアハウスが併設してある。 岡山県Z町の施設である。 そこで、大手パソコン教室AのO先生が、教室を03年の8月1日に開講され、週1回(金曜)の授業を1ヶ月(4回)行った。 対象は、ケアハウスの入居者のかたであった。 O先生も、初めてということで、二人で考えて授業を行った。 授業はSホームに隣接する公民館のコンピューター室で行った。 そこは、Z町の住民の方がキーガードを寄付されていて、麻痺のあるかたでも使用しやすいようになっていた。

 パソコン教室では、文章の作成とメールの送受信を学習した。 ローマ字が分からない方も多くおられるので、普通のローマ字変換表を配布したが、分かりにくいといわれた。 「いろは」でローマ字変換表を作ると大変喜ばれた。 お盆は、休みでしたが、その前にメールの送受信法をお教えしたら、8月22日にはメールの送受信が楽しくてたまらなそうな方がおられた。 実例を下に、紹介する。
 高齢者の方は、一般的にいわれような保守ではないと感ずる。 高齢者の方が、保守的になるのは機械の操作方法が分からず、また分かったとしても自分の身体機能に合わないからではないか?と私は、感じた。

Rさん「孫の顔が楽しみじゃ」(60歳代後半、男性)  Rさんは、人付き合いの好きな方ではなく、部屋で過ごされることが多かったそうである。しかし、ワードの添付ファイルで孫の顔写真が見られるようになって、ほかの入居者の方とよく孫のお話をされるようになられた。僕にも、初孫の寝顔を見せて「かわいい孫じゃ、賢そうで末は大臣じゃ、わっはは」と言われた。付き合いが、多くなるのは痴呆防止のためにもいいことである。
Gさん「まだ死ねん、富士山で俳句つくる」(80歳代前半、女性)  Gさんは、70歳代で脳梗塞を患い右片麻痺の障害が残った。 その方は俳句を作ることが趣味であるが、文字を書きにくいのであきらめられていた。 しかし去年のパソコン教室(別の方がされた)で、ワードを習い、友人のデジカメの写真を取り込んで俳句を作れるようになったそうである。 今は、それが楽しみで、しかたがないようである。
 砂浜や 若者たちが 夢の跡

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□その後□

*福祉機器は大嫌い?

 私は、ホームヘルパーの資格もとれ、前に勤めていたアルバイト先ををやめ、有料老人ホームでアルバイトをした。 そこは、週1〜2回の勤務でよく大学生活との兼ね合いもよかった。 また有料老人ホームは、介護保険を適用されない。 一般的にいわれる老人ホームとは違い基本的に自立されている。

 そこに入居されている方で、70歳代のご夫婦がおられる。 その主人は、足が最近弱ってきたので、介護保険の要支援の認定を受けている。 それで、杖を買ったのだが、本人は嫌だと言われる。 杖は、障害者の使うもんだ、わしはまだ元気だからいいとおっしゃっているそうだ。 彼の中で、杖は障害者のもの、障害者は被差別者という考えがあり、プライドが許さないのだろう。 日本人には、ハンセン病元患者の宿泊拒否問題のように、まだまだこういった考えの人が多いように思う。

 正職員の人は、だれでも嫌がるものだから、ゆっくり馴染んでいただくしかないといわれた。 しかし私は、その間に足がますます弱るのではないか心配である。 日本には、宗教性がなくそのためノーマライゼーションの考えが欠如しているのだろうか? それとも、杖のデザインがそう思わせるのだろうか? 私は、大学の講義を受講して両方だと感じるのだ。しかしそのように、感じさせてはならないと感じる。 さまざまな考えができるが、工学的に出来ることは、安定した歩行をたすけ、使いたくなるようなデザインでなかろうか? 高齢になっても、自身を高齢者と認識しない人がおおいので、ユーザーが杖を暗いイメージと結びつけないことが必要でなかろうか。
 その後、この方は、杖を使われるようになり、よくホームの周りの散歩に行かれる。散歩の間ずっと握っていると、握るところに汗がついて気持ちが悪いとおっしゃっていた。そのために、汗を吸い取るテニス用のグリップタオルを巻かれていた。杖用のものができればいいなと思った。

 またこんなもある。 介護用ベッドは、枠がたいてい金属である。 とある入居者の方は、金属は冷たいし監獄のイメージとつながるから嫌だとおっしゃっていた。 それで、趣味の手芸で余った色とりどりの布を巻いておられる。 ベッドメーカーは、金属は洗浄も容易でかつ耐久性に優れ安価あるとして、採用しているらしい。 しかし、金属というものは実に味気ないのだ。 中島先生によると、ドイツの義足で木製のものがあり、木のぬくもりが好まれ相応の利用者がいらっしゃるそうだ。 枠のデザインに木などの自然の素材を、使い設計できないのだろうか。
 高価なベッドになると、そういった仕様のベッドがあるそうだ。 朝日新聞に日曜日連載の「ダウンサイシング日本」(平成15年6月8日)によると、高齢者の平均貯蓄が2412万円、うち4000万円以上が17.9%・600万円以下が19.8%となってる。 おそらく高価なベッドの購買層とは、4000万円以上の貯蓄のある方であろう。 財政再建も緊急の課題となり、「日本は世界で一番成功した社会主義国家」と言われたように平等な福祉の時代は、終焉を迎えようとしているのだ。 賛否はあるが、高貯蓄者と低貯蓄者のうける福祉サービスは、2極化していくのだろう。

*生きがい作り

 私のアルバイト先の上司が、「N君(私)、これから団塊の世代(1947〜49年のベビーブームに生まれた世代)が定年を迎えたら、呆ける人がおおくなるよ。」とおっしゃっていた。 団塊の世代には、農村部から都市部へ「金の卵」とよばれ集団就職し、がむしゃらに働き日本の高度経済成長を支え、まもなく定年をむかえる人がおおい。 団塊の世代に多い仕事一筋の人は、退職すると痴呆になりやすいというデーターがある。ふと 浅田次郎の「鉄道員」が思い出された。 あの主人公の乙松の姿が、父の姿とかぶるのは私だけでないだろう。 私の父(団塊の少し後)は、読書が趣味であり近年家庭菜園にせいを出しているが、団塊世代には仕事一筋の乙松のような方が多いらしい。
 私(20歳)でも、2日間何も予定も入れず過ごそうとすると、1日目は大学の授業の復習や読書などで時間が過ぎていくが、2日目は思考回路が停滞し気持ちが沈みがちであった。 これでは、痴呆が起こりそうというのも、実感できる。 インフォーマル・フォーマルな趣味講座など、高齢者の生きがい作りが望まれる。 60歳を過ぎても結晶性の知能は発達を遂げると言われている、新たなエンパワーメントへとつながるかもれないのだ。 デイサービスなどでよくするリクリエーションが、幼稚であるという指摘をよく耳にするが、改善すべきであろう。 ゲームメーカーが、高齢者向けのTVゲームを計画しているらしい、面白そうだ。

*過疎化

 ホームヘルパーのアルバイトを、岡山県の福祉事務所のサイトで探すと、県北・西部は公営のホームヘルパー派遣事業所が多いことに気づく。 これらの地域は、本来過疎化で老老介護が多く行われていると推定され、手厚い介護体制が必要であると考えられる。 高齢者の割合は、岡山市が17.0%であるのに対し、小田郡美星町で35.4% 真庭郡新庄村38.6%である。 高齢化の進んだ地域では、人口密度が低く広い地域をまわらなければならないので、民間企業が進出しても採算が合わないのだ。 またNHKのプロジェクトXが、医療不信を乗り越え長野県佐久病院が健康診断実施するまでの奮闘をつたえていたが、それほどでないにしても農村部では、他人から介護を受けることに反感を感じる人も多いらしいのだ。 それらの地域では、自治体などが介護保険の企業を立ち上げたり、民間企業を財政支援している。 介護者としては、山間部の移動距離が長く効率的な訪問介護を実施しにくいのだ。

 私たちの暮らしを支える市町村の在り方が問われている。 長引く不況や国の構造改革で地方財政は、危機に直面している。 介護保険料の値上げを行っても、赤字の介護事業支援が重くのしかかる。 過疎地域における介護は、今大きな赤字のなかにあるのだ。 多くの過疎の市町村では、町の予算の半分以上を地方交付金がしめ、福祉関係の支出割合が年々増加している。 満足に、道路の保守管理が出来なところもあるようだ。 長野県のある村では、道路整備の一部などを住民らで行っているそうだ。 小泉首相は、老年者控除の廃止や、三位一体の改革といって介護保険事業費の一般財源化や地方交付金の削減をうったえる。 改革が、福祉や地方の切り捨てのような気がするのは私だけだろうか?

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□後書き□

 福祉機器は、そのひとの“これから”を変化させる可能性を秘めているのではないか。 商品だけでは、たしかにQOL(生活の質)は、向上しない。 しかし、福祉機器という媒体を使って、新たな可能性を導き出すことは可能である。 ユニバーサルデザインという言葉が、最近もてはやされているが本当に難しいことだと思う。 例えば町中に点字ブロックが埋め込まれているが、しかしそれが障害になることもあるのだ。 高齢者がつまずいたり、車椅子のキャスターがひっかることもしばしばある。 マクロ的な視野が必要ということであろう。 第三者的な機関が、評価検討を行うなど、言葉が独り歩きしないようにするべきだ。

 ハンディネットワークインターナショナル社の社長をやっておられる春山満さんという方がおられる。 彼は筋ジストロフィーである。 彼は、半生について綴った著書「もう一度この手で抱きしめたい」(幻冬社)のなかで、一度の人生を精一杯生きようということを言われている。 そして自らも、介護者でもある秘書とともに出張や会議をこなされている。 彼やスタッフによって生み出された、多くの福祉機器を販売されている。 障害者の社会復帰は、困難といわれる中、彼は、大きな成功者であろう。 高齢化となり、社会参加への意欲があるにも関わらず、老化現象による身体の障害から、社会参加を諦める人がおおい。 しかし高齢者のあきらめをちいさくし、社会参加を促進できたならば、行動範囲が広くなる。 そうすれば孤独な時間が減少し、寝たきりや痴呆の方は減少するはずだ。 ユビキタス社会を迎えれば、障害者の社会参加が促進されるという意見がある。 それも、ユビキタスに参加できるように、福祉機器が必要であろう。 福祉機器は、ノーマライゼーション社会の実現を促進し、豊かな社会を創造するのではなかろうか。

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□ お薦めのページ集 □

  • 厚生労働省→国の福祉行政機関、社会福祉や労働関係の資料が豊富
  • 岡山県社会福祉協議会→岡山の社会福祉やボランティア募集の情報などがある
  • ハートフルビジネスおかやま→産学協同での福祉機器開発への支援、一般からのアイデア募集も
  • テクノエイド協会→福祉機器の選び方などの情報満載
  • ふくしチャンネル→福祉関係の総合リンクサイト
  • 岡山理科大学→中国地方屈指の私立大学、私も通っている
  • 介護の現場に行って思ったことについて.2→私が作ったページ
  • 介護の現場に行って思ったことについて.3→私が作ったページ


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    2005.3.8 若干のリンクの訂正
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    2004.2.9 若干のリンクの追加
    2004.1.19 公開

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